今週ちょっと気になっていたこと
マンガを描いたり、投稿されたりしておられる人に
ちょっと見てもらいたかったものがあった。
「ビッグコミックオリジナル」11月20日号をお持ちでしたら
連載されている『あんどーなつ』(作西ゆうじ・画テリー山本)をまずご覧下さい。
作品の物語などの中身とは、とりあえず関係ナシに見ていただきたい。
何か気が付きませんでしたか?ぼくは最初読んでいるとき、コマの枠線が細かったり太かったり
したので、何だ雑だなあ〜と感じましたが、これは大変な誤りで
した。細い枠線が引かれた頁の四隅を見て下さい。全て、カーブ
した曲線で線が引かれています。
これは、これまでのマンガでは回想シーンなどになった時、ヒト
駒ずつ四隅をカーブさせ丸味を持たせることで、現在との時制の
違いを表現させるテクニックでした。
『あんどーなつ』でテリー山本さんは、それを頁全体の表現として
何ページにもわったって、使用されていたのです。
それが分ってから、全体を見渡しますと、物語と枠線表現の関係
が更に明快に理解できると思います。しかし、サッラっと読み飛ばす
読者には気が付かないものかも知れません。
この作品は、和菓子作りを描くマンガです。でも主人公は洋菓子
を目指していた女の子です。彼女は、洋の味を<隠し味>として和に
表現していくのではないかと思うのです。作画のテリー山本さんは、
この枠線表現を隠し味
として引いていたのかと思って、さすがプロの仕事だなと感じたの
です。いかがでしょうか。
『回想 沈黙の団塊世代へ』(かわぐちかいじ・筑摩書房)購入。
あすから宇都宮アート&スポーツ専門学校の研修ツアー。
11日、石ノ森章太郎ふるさと記念館。
12日、石ノ森萬画館。
ダイアリーは12日帰宅後になる予定です。