長谷邦夫はてなダイアリー・アーカイブ

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話しはちょっと少年マンガの日常の「異化」

ということに移る。楳図かずおの『漂流教室』の
SF的異化ぶりを思い出してほしい。普段、少年が
通っていた学校の消失。
 この作品を初めて読んだときのショックを…。
 ところで、ニューヨークのツインタワー・ビルの
消失ぶりを、TVのニュース報道で繰り返し見てし
まった日本の少年たちが、そのあとで、初めて
漂流教室』を読んだとしたら…、彼等は、かつて
の読者のようにショックを感じることは、きっと無
かったに違いない。
 現実の方が、マンガ物語より先に異化してしまっている
からだ。岡崎京子はそんな現在を<予見>するかのように
死という観念を、日常に投げ出してみせていた。