長谷邦夫はてなダイアリー・アーカイブ

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まとめ買いしていた『ES』(惣領冬実)が5巻目まで

読めた。実にしっかりした構成ぶりで、あきずに読ませて
くれる。SF的な(一種の超能力もの設定を含む)物語だが
けれん味に走りすぎず、等身大の女性脳生理研究者の姿を
しっかりとフォローしていて、好感の持てる作品だ。
最近「脳」に関する多くの活字本が刊行され、話題も多い。
最近すっかり売れっ子状態の茂木健一郎の著作は、
昨年、偶然文芸誌での彼のエッセイを読んだことから
関心を持つようになった。
マンガ家たちも、そうした時流に敏感に反応すると同時に
自己の感性で果敢にその世界に斬り込んでいるようだ。おかげで、
茂木の<ホムンクルスを取り戻せ>論と、マンガ『ホムンクルス
の示す世界は、別のことなのであるが、この二つを往還して
読書するという、新しい<読み>の楽しみ・スリルを
ぼくらは持つことが出来ている。
先日、近代文学会で、マンガと文学の深い関係について
(浅く)しゃべったばかりだが、↑の科学との関係ということにも
今後は注目していかねばならないだろう。
文学〜科学のあたらしい関係は、瀬名秀明の力業が素晴らしい。
マンガ界にも彼のような存在が、そろそろほしいところだ。