鈴木氏とサイン会で同行

７０年代の初め頃のことだった。
トヨタの新車発表会のためのイベントとして
ぼくら二人は和歌山・白浜へ行かされた。
近藤日出造の漫画社が、漫画集団メンバーを
毎年、全国の主要販売店へ派遣していた。

だがぼくは集団メンバーではなかった。
赤塚不二夫の代理として行ったのである。
正直に言うと、ぼくは近藤大先輩がキライだった。
というのは、日本漫画家協会が創立されて
理事会が開かれたときに、ぼくは著作権保護の問題を
どうするのか？と質問したとき、近藤は「そんなもの
大人と大人が話し合えばいいんだ」と一顧だにしなか
ったからである。
サイン会を終え、雑談のとき鈴木さんが「一番仲良く
しているマンガ家は近藤さんだ」と言われたので
ちょっとガッカリしてしまったのを記憶している。
だからって、鈴木さんが悪いヒトというわけでは
ないのですがね。
大阪で一泊した夜、「キャバレーでもいきましょうよ」
と誘ったが、苦手だよと断られてしまった。
マジメな先生でした。
翌日、昼どき大阪のおでんの老舗「たこ梅」に連れて
いってくれた記憶がある。
合掌。