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『ガラスの仮面』のニュース

●「西日本新聞」より
(前略)〜 漫画は「紅天女」を具体的に描く章に入ってから連載が滞りがちになる。そんなときに能面研究家の故・中村保雄さんに会った。美内さんは「紅天女」の構想を話した。すると彼はこう言ったという。

 「それは典型的な古典能になるよ」

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 中村さんは96年に死去。その10年後となる昨年、梅若六郎さんの手によって「紅天女」が新作能として実現した。美内さんは監修者だ。10月12日にはこの新作能福岡市博物館前庭の人工池に特設される水上舞台で上演される。美内さんはこれを楽しみにしているのだ。これまで東京などで上演された「紅天女」は屋内だったが、今回は屋外。とりわけ水上での上演に意義があるらしい。

 「紅天女」は千年の梅の木の精。これを仏師が天女像を彫るために切ろうとするが、そのときに呪文を梅若さんが唱える。美内さんによると、それは弁財天のマントラなのである。

 「弁財天は芸能の神様であり、インドの水の神様。福岡では水の上でやるからぴったりなわけなんです。もちろん、そういうことを知らなくてもきっと幻想的な舞台になるでしょう」

 漫画の世界から生まれた新作能。逆にこの新作能が今後、漫画にも反映されるに違いない。彼女の中で曖昧(あいまい)だった「紅天女」のイメージが、新作能に刺激され、明確になりつつある。

 「紅天女は地球の大地の神様、と思うようになった。30年かけて描いているうちに地球環境問題が注目されるようになったことも関係するのかもしれない」

 気になる結末だが、最後の場面は20年ぐらい前にはできている。

 「構図もセリフも決まっていてノートにはもう書いてあります。問題はそこまでの過程なんです。例えれば、新幹線で博多まで行くのは分かっているんだけど、途中、静岡辺りで落雷にあったり、別な駅で脱線事故に遭ったりしてうろうろしている状態なんですね」

 漫画は来夏、蜷川幸雄さん演出の音楽劇にもなる。現実の舞台に影響を及ぼしながら、少しずつ終着駅に近づいているようだ。

 (内門博)
★ミュージカルの構成も気になる。
 といってもぼくはこのマンガにくわしいわけではない。
 しかし、天女の舞を現実に見てみたいものです。