長谷邦夫はてなダイアリー・アーカイブ

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生野毅さんの朗読会

nagatani2007-02-11

昨夜、茅場町のマンション一室を画廊に改造した、小さなスペースで
開かれた「俳句朗読」の会へ行ってきました。
ご自分でも俳句を詠む生野毅さんが「摂津幸彦」の諸作を朗読した。

よく「詩とジャズ」の会にあるような、安易な音楽は無く
摂津の句・言語を、とことん分解し、再構成して「つぶやき」
「語り」「叫び」「読み」「詠む」パフォーマンスであった。
それ全体が「音楽」として、聴衆に響いていたはずだ。
なかなか新鮮な発想だとも感じた。

摂津は季語のない異端の句の詠み手だった。
死後10年になるのを記念しての朗読である。

生野さんと一緒に出た「活花所作」の方は、古木の枝で
花を皿と一緒に叩き潰し、踏み潰していた。
2メートルほどの枝は、壁からはずし、床に横たえられ、
白い布を掛けられた。
それは、摂津の「寝姿」「死体」に見えた!
摂津の骨が、色のある花(言語)を、無残に潰す!潰す!
言語は色を失って、解体されていく…。

華道家は、その無残な花弁と皿の破片を、壁際に積み上げていく。
それは賽の河原に積まれていく石のように…、
あるいは、摂津の異端の句のシンボルのように見えた。

この会の生野さんが表現しようとしたイメージを
ぼくは、上記のように見たのである。

★首枯れてことりこ鳥子嫁ぐかな

大満月中止を頼む一鳥子

★暗黒の先へさきへと転ぶ白桃

★人骨の恥の白さや飯蒸れぬ

★姉にアネモネ一行一句の毛は成りぬ


●なかなか面白い句だった。

↑詩人・清水昶さんの「俳句航海日誌」へ、書き込んだものを
ここへも貼り付けます。

●打ち上げのあと、10時半ごろ、新宿三丁目のバーFへ行き、
ミクシィへぼくを招待してくれたSっちゃんと25年ぶりの
再会を果たし、1時半まで飲んだ。
近くのホテルで1泊。
今日帰宅。