長谷邦夫はてなダイアリー・アーカイブ

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『バルカン超特急』(アルフレッド・ヒッチコク監督)を

昨日深夜から観た。2度ほど以前に観ていたはずだが、やはり
面白い。イギリス時代のヒッチは、もう自分のスタイルを確立
しているのだ。
 平凡そのものの老婆が秘密情報員であったり、コンパートメ
ントのなかでの、彼女の消失。疑問が消せない若い美女。
彼女の言葉を、乗客の誰もが証言してくれない謎…などなど。
 ラストシーンにかけての演出も見事なものだ。スパイの情報
がある音楽のメロディというのもユーモラスだ。老婆が<密書>
を託すのではなく、口立てでメロディを託す。託された男は
婚約中の美女に協力する内に、彼女から惚れられて、そのメロディ
を、結婚行進曲と勘違いしたりといった細かいギャグもきいていた。