長谷邦夫はてなダイアリー・アーカイブ

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浅野いにお『素晴らしい世界』(2)を読む。

マンガにおける「日常生活」は、もともと、
新聞4コマものによって多く描かれてきた。
 子供マンガでも『マアチャンの日記帳』(手塚
治虫)があるように、少女雑誌でも『チャコちゃん
日記』(今村洋子)などが有ったと思う。
 日記というかたちで、子供たちの日常をユーモラ
スに描く時代がきて、さくらももこの『ちびまる子
ちゃん』のような回想録形式も出現した。
 少女たちが成長すると『青の時代』(金子節子)
のような、長篇によって大人までの日常が描かれも
するようになる。
 そんな日常を異化してみせたのは岡崎京子だった
のではないか?少女雑誌系から離れたところで、そ
れが可能だったのかも知れない。
 でも彼女も『バージン』を刊行したころは、そう
強力に異化することに熱心だったわけではないだろう。
でも日記帳マンガの時代と比べれば、その「日常」
大きく異化してしまっている。
 浅野が描く日常世界をいま考え始めてみて、そんな
過去をちょっと振り返ってしまった。