長谷邦夫はてなダイアリー・アーカイブ

長谷邦夫はてなダイアリーのバックアップです。今のところ更新は無い予定です。

すぐ飽きてしまうので、『脳と仮想』を読む。

茂木は、ある人から、漱石の『坊ちゃん』の登場人物の中で
漱石は実は赤シャツなんだと、阿部謹也が書いているということを
教えられたという。それを聞いた瞬間、茂木は『坊ちゃん』という
作品の秘めている毒に気がついていなかったことを、悟らされた〜
という。
青春小説を書いた多くの作者たちは、自分が一人の赤シャツに
過ぎぬことを自覚しているだろうか?とも彼は言う。
……なるほど。
『おそ松くん』が描かれると、それまでの日常を舞台にした少年ギャグマンガ
は、赤塚ギャグに次々に淘汰されてしまう。それは彼らの作品内部には
<イヤミ>(「シェー!」の中年オヤジ)を登場させることが出来なかった
からである。だが、当の赤塚は自分は<バカボンのパパ>であると
思っていた。実は彼は<イヤミ>であることが自覚出来なかった!
これがぼくの『ギャグと仮想』(笑)いかがでしょうか?
イヤミこそ、漱石の赤シャツなんです。