長谷邦夫はてなダイアリー・アーカイブ

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名古屋から大垣へ

中京大学23日授業
世界のマンガ状況というテーマだったが、1コマで喋り切れるものではない。
主に、おしぐちさんがアメリカ視察に行ったときの報告を雑誌で読んだ印象
や、最近のジャンプ・アメリカ版の話など、日本のマンガ受容に関しての
情報をまとめて述べた。
あとはフランスのマンガ出版社の話や、トンカムの鵜野孝紀さんにお会い
した際にお聞きした情報などなど。香港や韓国、台湾事情も手短に。
2コマほしいが、半期授業なので、これ以上は時間が取れない。
終了して、午後は椙山女学園大学へ。
ここでは「少女マンガ・キャラの人形的回帰」というテーマ。
ややこじつけ気味だが、昔の少女マンガの主人公は、少女スター・叙情画・
など、読者の「少女幻想」をキャラとして<お人形さん的>な香りが強かった。
それが、ストーリーマンガの発展段階で、等身大の姿も獲得していく。
紡木たくホットロード』のような、リアルな少女の感情も描かれた。
しかし、近年、たとえば『観用少女』であったり『DOLL』(三原ミツカズ
であったりする。
少女マンガのフィールドではないが『ちょびっツ』のチイはどうであろう。
人工知能を持った少女やメイド的なキャラクターが登場し、話題となっている。
日常に飽きてきた読者??
日常描写に飽きたマンガ家が人形的造形で、ロマンに回帰しようとしている?
漠然と感じてきたことを喋ってみた。
アニメ『イノセンス』で、素子が、四谷シモン人形・ベルメール人形的な
造形で出現し、サイボーグ・ロボット・アンドロイドといったSF的造形を
捨てていたことも、こうした流れと関係があるのだろうか。
どなたか、このへんを整理分析していただけないだろうか。
おいおい、おまえ講師だろう。しっかりせいや

24日は大垣女子短期大学
文化表現論〜なる科目名になっているが<戦後風俗>の表現という
視点での授業だ。
今週は日本の戦後SFはUFO研究会で、星新一柴野拓美
出あって、同人誌「宇宙塵」が発行されたあたりから始まる。
しかし、UFOという現象が戦後なぜ流行したのか?
ということに関して、ちょっと自説めいた話をした。
つまり、戦争が終了したのに、米ソがお互い疑心暗鬼に陥り
資本主義と社会主義の対立もあって、お互いに<恐怖感>が
あった。
V1ロケットの技術者を連れ去ったソ連が、ミサイルや
ロケットを秘密裏に製造して、飛行実験をやってはしないか?
そんな心理が、米空軍兵士マンテル大尉がジェット機で<フライング
ソーサー>円盤を幻視することにつながったかも知れない。
当時のハリウッドSF(宇宙人の地球侵略物)は、ソビエト
アメリカ攻撃の隠喩ではなかったのか〜と言う人も居る。
しかし日本では、仮想現実というイメージの娯楽物語として
親しまれていった。
それはまさにディズニーランドに実現された。
マンガだけでなく、SFセンスで『スターウォーズ』を遊戯
施設として取り込んだり、最近では『海底2万マイル』を仮想
現実化させるディズニー・シーの開設へとつながっていく。
さんざんSFで語られた<ハルマゲドン>が、風俗的とも
思える新宗教の中で語られ、しまいにオウムを産んだ。
こうした現象を風俗という視点で見返してみるという講義
である。
短大女子1年生は??‥‥という気分だったかも知れない。
マンガの講義は、中京大と同じテーマ。
昼食を済ませ名古屋経由で「のぞみ」に乗り、東京〜宇都宮
更に黒磯行きに乗り換えて二駅目、宝積寺駅まで。
やれやれ‥。UFOに乗って帰宅出来たら楽なんだけれどね。